朝顔は、小学一年生でも咲かせられる。

…はず。




季節が春の頃、蔵馬が持ってきたのは朝顔の種。
人間界の事を知るの(と情操教育)によいのではと用意したのだ。
ちゃんと毎日水をやること、ツルがのびてきたら巻かせる棒を立てること、かるく説明を施してそれは六人衆に与えられた。


「じゃーんけーん」
「「「「「「ぽんっ!!!!!!」」」」」」

「うをおおー負けたーー!!」
「じゃ、始めは酎が当番な。」

「ううう…俺が弱いのはじゃんけんだけなんだ…」



以下は、観察日誌に基づく六人衆朝顔育成奮闘記である。







1.酎

そんなわけで、朝顔を植えた。
ちゃんと水やってるのにちっとも芽が出ねぇー。
気合が足りないんじゃねぇか?花だって、やっぱ水より酒がいいよな!

「酎、何してんの?」
ギクッ!

(制裁)

***

なんとか発芽してくれてよかった…。



2.鈴駒

バカ酎が酒なんてやるから心配だったけど、続々と発芽。
ひょろっとしてる奴もいたけどそのうちにしっかりした。
茎がどんどん伸びて、新しい葉っぱが次々と出てきてる!



3.陣

おー!すげー!育ってる!
水やるとぐんぐん育って面白れぇv
と思ったら凍矢に止められた。え?雨の日はお水やらなくていいだか?

***

庭で喋々が花に止まってた。綺麗だ〜
やっぱ人間界はいいとこだべ!



4.凍矢

陣が水やりすぎるから根腐れしかけてる…。

夏真っ盛りで今日も暑い。
みんなが俺を冷房代わりにしようと寄ってくるもんだからつい怒って家ごと氷漬けにしてしまった。
…いかん、朝顔も凍ってしまった…
だ、大丈夫だろうか;;



5.死々若丸

少し様子が変だ。土が凍っている。凍矢がなんかしたな…

ツルが伸びていた。おい鈴木、棒立てとけ ついでに草むしりもしろ。
蚊にくわれるから庭に出たくないと言ったら怒られた。チッ

仕方ないから死霊を呼び出して虫を退治した。
そしたら朝顔までしおれた。
…放っとこ



6.鈴木

のぉー!死々若が枯らしかけてる!(汗)
せっかくつぼみが出始めたのに…

こうなったら最後の手段、この俺特製植物用栄養剤を与えるとしよう!











「…で?なんでこーゆーことになっちゃったのかな?」
頬をひくひくさせながら、蔵馬が六人に問う。

「「「「「コイツ!!!!!」」」」」
全員がいっぺんに鈴木を指差す。
「俺かよ!!」

「当たり前だ!この異常にカラフルな花、お前以外に原因が見あたらん!」


朝顔は無事咲いた。
いや、咲いたのだが"無事"ではない。

アルコールを与えられたうえ根腐れ・氷漬け、さらには死霊に中てられてヨロヨロの朝顔。
そこにとどめの鈴木の薬。
異常をきたしたその花は虹色に輝き、辺り一面にプリズムを放っている。

☆*:。・゜'キラキラキラ゜'・。:*☆


「人間界にこんな花は あ り ま せ ん 。」


「「「「「「……ッ!(怯)」」」」」」







六人衆、夏休みの宿題、失敗。
このあとは蔵馬先生からの手厳しいお仕置きが待っているのでした…。

2005/9

六人衆同盟様の夏休みの宿題、「絵」「小説」「語り」とありまして今年は全てに参加させていただきました!(えっへん)
その、小説です。しかし小説コーナーが存在しないため無理やり絵ぇつけてここに展示(^^;
取り急ぎで書いたため出来が相当未熟ですが…。というかいつも蔵馬君が黒くて、ご め ん…☆