それはいつもと変わらない午後。
「若ちゃん、ちゅーして。」
"若ちゃん"なんて呼んで甘い声でおねだりする鈴木。
「"して"?俺から?」
「うん。」
あんまりストレートな欲求に、
「…嫌だと言ったら?」
照れて少し意地悪を言う。
「そしたら自分からするからいーもん。」
結局どっちも同じこと。
「シュークリーム。」
「了解。」
そう言うと死々若は自ら鈴木に寄っていって口付けた。
その後、約束どおりシュークリームを作る鈴木。
ひとつだけでは寂しいのでついつい沢山作ってしまった。
焼きたてのシュークリームを死々若のもとに持っていく。
死々若は一口食べて、
「うまい。」
ファンクラブの子にも見せないような極上スマイルを放つ。
(あー。可愛いなぁー。)
それだけで身悶えちゃってる鈴木。
「お前も食えよ」
と、若は言ってくれるのだが
「いや…俺が食ったら胃もたれおこす。」
そう、このシュークリームは死々若丸の味覚にあわせて通常の数倍甘くなっている極甘シューなのだ。
死々若丸はシャレにならないくらい甘党。バレンタインにトラック2台分届いたチョコレートも、結局一人で食べ尽くしてしまった。
そうこういってるうちに食べている極甘シューはもう3つ目。
「お前、体壊すぞ。」
「そんなことは、お前がさせないだろ?」
死々若は顔を上げてにっと笑う。
ここ鈴若邸には家庭菜園が存在する。また買ってきたものでも、鈴木の手が加わっていないものはない。
それらはおそらく都合のいいように改造してしまってあって、体に害があるものは何一つ無い。
ばれてましたか…といった具合に鈴木は短くふぅと息を吐く。
「ごちそうさま。うまかった。」
さぁ片付けろと言わんばかりに空になった皿をつき返す。
それでもこの笑顔が愛しくて素直に従っちゃう自分は相当甘いんだなーと思う。
「ねー若ちゃん。美味しかったならご褒美に、今夜は頑張ってもいい?」
またこの男は直球ど真ん中な要求を。
「///…プリンっっ!」
「了解。」
食すのも愛すのも、死々若さんは甘〜いのがお好きでございます。
甘いもの=鈴木のことなんでしょうか(笑)
アンケートで首位を独走している「死々若甘党説」。上位のネタで創作できたらいいなーと思います。
って締め切る時期も決めてないくせに書いちゃいました。
あー。甘ッ。こんな甘い鈴若でいいのでしょうか。
背景イラストは角空広子さんからいただきました。ありがとうございます!